研究会を開催しました:脳卒中の臨床と研究・紛争人道支援のクロストーク
2023/09/06(水)
8月4日(金)19:00より、第一三共株式会社主催のウェビナー『脳卒中診療最前線』が開催されました。講演は、下記の通り2部構成でした。
講演Ⅰ
座長 東北大学大学院医工学研究科/医学系研究科 神経外科先端治療開発学分野 教授 新妻邦泰先生
演者 山口大学大学院医学系研究科 講師 岡史朗先生
『脳外科救急疾患のマネージメント』
講演Ⅱ
座長 東北大学大学院医学系研究科 神経外科学分野教授 遠藤英徳先生
演者 広島大学名誉教授(医系科学研究科) 宇部MCC宇宙再生医療センター センター長 弓削類先生
『神経再生医療とロボットリハビリテーションの融合とウクライナ人道支援』
講演Ⅰの演者である岡先生は、現在、山口大学病院において、急性期脳梗塞をはじめ、多くの脳神経外科救急疾患を診療されているご経験から、急性主幹動脈閉塞例におけるinfarct growth velocityからみたtissue-based managementの重要性、再発予防のための抗凝固療法、cortical spreading depolarizationと脳圧上昇の関連等についてご講演頂きました。日々の臨床で観察している事象を科学的に検証し、納得のいく形でデータを提示いただきました。Brain誌をはじめ格式高い雑誌に研究成果を数多く発表されているご様子を拝聴し、大変刺激を受けました。
講演Ⅱの演者である弓削先生は、神経再生医療の第一人者の先生です。自家頭蓋骨由来間葉系幹細胞を用いた脳梗塞に対する再生医療研究や重力制御装置Gravite®を用いた無重力環境での幹細胞大量培養技術の構築等、先進的な研究に取り組まれておられます。さらに再生医療をロボットリハビリテーションと融合させる「再生医療リハビリテーション」を確立され、研究技術の実装化に成功されました。今回の講演では、再生医療リハビリテーションを用いたウクライナ人道支援の取り組みについてもお話し頂きました。ロシアによるウクライナ侵攻では、頭部外傷などによる負傷者でリハビリテーションを必要とする一般市民が数多くおり、紛争の負傷者を数多く受け入れているジョージアで、最先端の細胞治療とリハビリテーションを組み合わせた融合医療を2022年12月から開始されたとのことです。早期の停戦により一般市民の負傷が一人でも減ることを祈るばかりではありますが、弓削先生が、自ら開発された技術を紛争被害者への人道支援に活用されている姿は大変感銘を受けました。
講演Ⅰ
座長 東北大学大学院医工学研究科/医学系研究科 神経外科先端治療開発学分野 教授 新妻邦泰先生
演者 山口大学大学院医学系研究科 講師 岡史朗先生
『脳外科救急疾患のマネージメント』
講演Ⅱ
座長 東北大学大学院医学系研究科 神経外科学分野教授 遠藤英徳先生
演者 広島大学名誉教授(医系科学研究科) 宇部MCC宇宙再生医療センター センター長 弓削類先生
『神経再生医療とロボットリハビリテーションの融合とウクライナ人道支援』
講演Ⅰの演者である岡先生は、現在、山口大学病院において、急性期脳梗塞をはじめ、多くの脳神経外科救急疾患を診療されているご経験から、急性主幹動脈閉塞例におけるinfarct growth velocityからみたtissue-based managementの重要性、再発予防のための抗凝固療法、cortical spreading depolarizationと脳圧上昇の関連等についてご講演頂きました。日々の臨床で観察している事象を科学的に検証し、納得のいく形でデータを提示いただきました。Brain誌をはじめ格式高い雑誌に研究成果を数多く発表されているご様子を拝聴し、大変刺激を受けました。
講演Ⅱの演者である弓削先生は、神経再生医療の第一人者の先生です。自家頭蓋骨由来間葉系幹細胞を用いた脳梗塞に対する再生医療研究や重力制御装置Gravite®を用いた無重力環境での幹細胞大量培養技術の構築等、先進的な研究に取り組まれておられます。さらに再生医療をロボットリハビリテーションと融合させる「再生医療リハビリテーション」を確立され、研究技術の実装化に成功されました。今回の講演では、再生医療リハビリテーションを用いたウクライナ人道支援の取り組みについてもお話し頂きました。ロシアによるウクライナ侵攻では、頭部外傷などによる負傷者でリハビリテーションを必要とする一般市民が数多くおり、紛争の負傷者を数多く受け入れているジョージアで、最先端の細胞治療とリハビリテーションを組み合わせた融合医療を2022年12月から開始されたとのことです。早期の停戦により一般市民の負傷が一人でも減ることを祈るばかりではありますが、弓削先生が、自ら開発された技術を紛争被害者への人道支援に活用されている姿は大変感銘を受けました。
(文責:田代亮介)