文部科学省高等教育局 森 祐介 様「イノベーション大国スウェーデン」を開催しました
10月21日(水)18:00-19:00、今年度第5回目の未来型医療創造卓越大学院プログラム(共催:臨床研究推進センターバイオデザイン部門)FM DTS 融合セミナー 文部科学省高等教育局(前在スウェーデン日本国大使館一等書記官・経済班長)森 祐介様の講演会をオンラインにて開催いたしました。
今回の講演では、ノーベル賞発祥の国であるスウェーデンが、世界的企業を生み出すイノベーション大国となった背景についてご講演いただきました。その上で、世界トップクラスの研究者や最先端の英知に日常的に触れられる恵まれた環境や、失敗を恐れない文化など、同国の強みを支える環境と社会制度について、外交の最前線でのご経験に基づく多角的な視点から解説していただきました。
スウェーデンは北欧の「盟主」と呼ばれ、近年のNATO加盟により欧州での存在感を高めています。社会面では世界に先駆けジェンダー平等が深く社会に定着しており、経済面では「技術・貿易立国」として、ボルボ等の世界的企業やSpotifyなどのスタートアップを多数輩出しています。また、非化石燃料を活用したグリーンエネルギーで高い付加価値を生み出している一方、原発推進などのエネルギー政策は直近の選挙結果を受けた政権交代で見直される可能性も指摘されました。さらに、「パーソナルナンバー」と「Bank ID」が医療や決済などの様々なサービスと紐づく高度なデジタル社会であり、圧倒的な利便性を実現している反面、旅行者などこれらを保持していない人にとっては不便な実態も紹介されました。
スウェーデンは、多岐にわたる発明や多数の元素発見を誇る科学技術大国です。その中核にあるのがノーベル賞であり、授賞機関のスウェーデン王立科学アカデミーやカロリンスカ研究所等は、世界的な「知の拠点」として機能しています。同国の科学技術政策は、政府・研究助成機関・研究機関の大きく3つに分かれています。実際の予算配分はSwedish Research Council等の助成機関が担い、限られた大学等へ集中的に予算を投下することで、極めて効率的・効果的な教育研究を実現しています。
また、講演の終盤では、イノベーション大国を支える「5つの要素」が示されました。手厚い社会保障による「失敗を恐れない文化」、多様性を生む「ジェンダー平等」、知の求心力となる「ノーベル賞」、特許権の個人帰属で起業を促す「教授特権」、そして巨額の助成でエコシステムを支える財界人脈「ヴァレンベリ家」です。
現在、日本とスウェーデンは戦略的パートナーシップにより関係を加速させており、科学技術や学術交流が深まっています。こうした背景を踏まえ「スウェーデンでしたいことがあれば、ぜひ挑戦してみてください」という力強いメッセージで締めくくられました。
本講演会は、卓越大学院プログラムに参加する学生の他、企業の方を含む幅広い領域から学内外330名の方々にご参加いただきました。
森様、ご講演いただきありがとうございました。

文責:歯学研究科 博士課程2年 野中優希











