ALPS ALPINE Europe-GmbH Sweden 廣部 希世先生「国際協働力とチームマネジメント」を開催しました
8月21日(水)18:00-19:00、今年度第4回目の未来型医療創造卓越大学院プログラムFM DTS 融合セミナー(共催:臨床研究推進センターバイオデザイン部門・医工連携イノベーション推進事業)ALPS ALPINE Europe-GmbH Sweden エンジニアリングマネージャー 廣部 希世先生の講演会をオンラインにて開催致しました。
今回の講演では、日本、シリコンバレーを経て、現在スウェーデンでエンジニアリングマネージャーとしてご活躍されている廣部先生より、グローバルな環境の中で求められるコミュニケーションやチームマネジメントについて、お話いただきました。
講演の前半では、廣部先生が関わられている半導体やセンサの設計、製造過程に関してお話いただきました。半導体やセンサを利用した製品を製造するためには、厳しい管理、審査が必要であり、製品として市場に出るまでに必要な行程は多岐に渡ります。それを実現するためには、製造を日本だけで完結させることは難しく、グローバルなチャネルと協力して仕事を進める必要があり、そこで、国際協働力が求められることをご説明いただきました。
講演の後半では、グローバル環境におけるコミュニケーションやチームマネジメントに関してお話いただきました。コミュニケーションについては、思考力、想像力、表現力などを含む国語力および語学力を高めるという基本となる部分に加えて、地域ごとに異なる文化や、コミュニケーションの傾向を認識しつつ、どのようなコミュニケーションを好むのか、物事の決定フローはどのようになっているのかなど、各個人の認識や状況の確認を怠らないことが重要であることをご教示いただきました。また、英語力や文化的差異による誤解のリスク低減のために、相手の話した内容を自分の言葉でサマライズして確認する、ミーティング後にWrap upの時間を設ける、といった具体的な方法も教えていただきました。さらに、チームマネジメントにおいては、責任分担や最終目標、目標達成状況をチーム全体が相互理解できていることが重要であり、状況を見える化するツールとして、RASICチャートを活用したり、プロジェクトのマイルストーン、ゲートを共有したりすることによりマネジメントされていることを教えていただきました。
最後に、日本人がグローバルな環境で活躍する上で必要なメンタリティとして、日々の小さなチャレンジから言語、文化のコンフォートゾーンを広げることを意識すること、我慢せず自分の意思を主張すること、謙遜表現をセレブレーション(周囲の人への感謝)に置き換えてポジティブな表現にすること、などのTipsをご教示いただきました。
廣部先生のご経験を踏まえ、グローバルチームでどのようにコミュニケーションを取り、チームとして動いていくのかを非常に具体的に学ばせていただき、今回のご講演を通し、グローバルな環境で働くことに対する心理的な距離を近づけていただいたように感じました。
本講演会は、卓越大学院プログラムに参加する学生の他、企業の方を含む幅広い領域から学内外 364名の方々にご参加いただきました。
廣部先生、ご講演いただきありがとうございました。
文責:東北大学医学系研究科 修士2年 内田彩希