Bio-Rad Laboratories, Inc., 上原 輝彦先生「“内向的”な人材がグローバルで仕事をしてチームを率いる際の問題点と解決策」を開催しました
6月11日(水)18:00-19:00、今年度第2回目の未来型医療創造卓越大学院プログラムFM DTS 融合セミナー(共催:臨床研究推進センターバイオデザイン部門)Bio-Rad Laboratories, Inc., Associate Director of Global Product Marketing, Life Science Group上原 輝彦 先生の講演会をハイブリッド形式にて開催致しました。
今回の講演では、上原先生の米国現地企業でのご経験、UC Berkleyにおける講義での議論内容、リーダー層へのインタビュー等を基に、似た価値観や背景を持つ集団の中で過ごしてきた“内向的”人材が、多様な背景を持つ人々と共に働くグローバルチームでリーダーシップを取る上での課題と戦略についてお話しいただきました。
講演冒頭では、価値観、国籍、文化・言語的背景が異なる人々とともに働くグローバルチームでは、個々人の強み(個性)を活かすことでチームの力が格段に大きくなることが特徴であるとご紹介いただきました。
続けて、グローバルチームで働く上での“内向的”人材が抱える一番の壁は、不慣れな環境に飛び込むことの怖さであるとお話しいただきました。この壁を乗り越え、グローバル環境へ飛び込んで対応力を上げる中で、"Adaptive Authenticity"(自分を保ちつつ、環境に適応する力)を身につける事の重要さをお伝えいただきました。更に、「やりたいがまだ得意ではない」ことがグローバル環境にある場合に飛び込んでみるという、決断の物差しをご提供いただきました。
最後に、グローバルチームでリーダーシップをとる上で必要な戦略についてお話しいただきました。グローバルリーダーには相手に自発的に動いてもらうInfluence(影響力)が重要であり、“内向的”かつ分析的な人材が影響力を持つために、データを用いた論理的説得 → 質問・相談を通した相手の分析 → 相手と自分との類似性に注目した交流 → 相手の喜ぶことを通した関係性への訴求 → 相手の大切なことを観察し、心に訴える といったプロセスを通して相手を知り・自己を知ることで、影響力を高める戦略的手法をご教示いただきました。更に、グローバルリーダーはHumility(謙虚さ)とWill(強固な意思)を兼ね備えることが必要であるとお伝えいただきました。
今回の講演では、“内向的”人材が多様な人々が集まるグローバル環境の中で、強みを生かしながらリーダシップを取る上での心構えや戦略をご教示いただき、学びの多い時間となりました。
本講演会は、卓越大学院プログラムに参加する学生の他、企業の方を含む幅広い領域から学内外479名の方々にご参加いただきました。
上原先生、ご講演いただきありがとうございました。
文責:教育学研究科 博士課程前期1年 久保田智天