第4回 DATE seminarを開催しました。
7月18日に第4回 DATE seminar(主催:stryker)が艮陵会館2階「記念ホール」にて行われました。特別講演として当医局から広南病院血管内脳神経外科 面高俊介先生、またJSNETの理事長も務められている筑波大学脳卒中科 松丸裕司教授にご講演頂きました。
面高先生からはstrykerから出ているSurpass evolveの使用経験についてご講演頂きました。本邦では一番適応の幅が狭いFlow diverter stentでありますが、その広がりやすさ、使いやすさと厳しい動脈瘤を相手にしてるにも関わらずいい治療成績が印象的でした。適応拡大やコーティングも含めた新バージョンなど、今後も目が離せないデバイスと感じました。
松丸先生からは、本邦における血管内治療の黎明期から現在、未来にかけてのご講演を賜りました。黎明期の大変なご苦労の中、難治症例を多くのアイデア、テクニックで治療なされていたことや、留学時に従事されていた血管解剖のバイブル的存在であるSurgical Neuroangiography の筆者であるPierreLasjaunias先生の言葉などを通して現在私達が当たり前に行なっている治療がどういう人々によってここまで発展してきたのか、大変興味深くお話いただきました。また、現在の問題点として専門医に合格した医師の技術低下についてお話頂いたのが印象的でした。専門医が増えるにつれ単純な一人当たりの症例は減っており、また術者が限定される新規デバイスもtrainee が治療を実際に自分でやる機会が減っている原因になっていると考えられます。そんな中、脳血管撮影検査の読影、手技の重要性について特に強調されており、現状多くの脳血管撮影をさせて頂いている身としては大変身の引き締まるお話でした。最後に未来として、ご自身がCEOとして行っているデバイス開発についてお話し頂きました。アイデアを形にして社会に実装していくというプロセスと、また一旦脳血管というものから離れて脳そのものを考えてみることで様々なアイデアも浮かんでくるという事を学びました。日々臨床をしていると気付かずに狭い視点に陥っていた事を実感し、これからの医師としての考え方にも大きく影響を持つお話しでした。
1時間という短い時間ではありましたが、大変勉強になる、充実した会でした。
(文責:真貝)
