概要・定款

COI指針・細則

医学研究のCOI(利益相反)に関する指針

一般社団法人日本脳卒中の外科学会
COI委員会

Ⅰ.指針策定の目的

 学会発表や機関誌などの刊行物で論文発表される医学研究においては、医薬品・医療機器・技術を用いた臨床研究も多く、産学連携による研究・開発が行われる場合が少なくない。産学連携による医学研究は医学の進歩のためにきわめて重要な位置を占めているが、産学連携による医学研究には学術的成果を社会への還元することによってもたらされる公的利益だけではなく、産学連携に伴い取得する金銭・地位・利権などの私的利益が発生する場合があり、研究者個人においてこれら2つの利益が相反する利益相反conflict of interest(以下、「COI」と略す。)が不可避的に起こり得る。COIが深刻な場合には、研究の方法、データの解析、結果の解釈が歪められたりする可能性や、適切な研究成果であるにもかかわらず中立性、公明性を欠く研究成果となってしまう可能性がある。また、医学的研究においては、被験者の人権、生命、および安全を守るという観点から倫理性と科学性を担保するために、臨床研究にかかるCOI問題について慎重な対応が求められている。

 一般社団法人日本脳卒中の外科学会(以下、「本法人」と略す。)は、医学研究を積極的に推進することが社会的責務であると認識し、その事業の遂行においてCOIに関する本法人の方針を会員に対して明示するための「医学研究のCOI(利益相反)に関する指針」(以下、本指針と略す。)を定めるものである。
 その目的は、本法人が会員のCOI状態を適切にマネージメントすることにより、産学連携による医学研究の公正さと中立性と公明性を確保した状態で、研究結果の発表や普及を適正に推進し、脳神経疾患の予防・診断・治療の進歩に貢献するという本法人の社会的責務を果たすことにある。
 一般社団法人日本脳卒中の外科学会は本法人が行う事業に参加する会員などに以下に定める対象者に本指針の遵守を求める。

 なお、現在、医学研究に係るCOIマネージメントは、①研究を実施する医科系大学や研究所等の各施設と、②研究成果が発表される専門学会、学術団体の2つで行われている。本指針は後者すなわち研究成果が発表される専門学会・学術団体として、本法人がCOIマネージメントを行っていくための指針である。
 また、本指針は本法人のCOIマネージメントのコアとなる内容を記したものであり、COIの概念その他の詳細については日本医学会のHPなどに記載されているので、それを参照されたい。

Ⅱ. 対象者

COIが生じる可能性がある以下の対象者に対し、本指針が適用される。
1. 法人としての一般社団法人日本脳卒中の外科学会
2. 本法人の理事・監事・代議員
3. 前号以外の本法人のすべての会員
4. 本法人が行う学術総会などで発表ないし機関誌「脳卒中の外科」において論文発表をする非会員 5. 本法人の雇用する事務職員

Ⅲ.対象となる活動

本法人が関わる以下の事業活動を含むすべての事業活動に対して、本指針を適用する。
1. 本法人が受託研究費や研究助成費を受けて行う研究
2. 本法人が開催する学術集会および講演会、セミナーにおける発表
3. 本法人の機関誌「脳卒中の外科」における論文発表 もし、著者のなかに企業所属の研究者が含まれる場合には、編集委員会は①当該研究者の所属する企業名・②当該研究への貢献内容・③当該企業からの当該研究への出資額・④発表結果の帰属先・⑤研究結果の学会発表や論文発表の決定に関して当該企業が影響力の行使を可能とする契約の有無・⑥当該研究結果に影響を与えうる企業からの労務提供の受け入れの有無等を確認し、総合的に論文の採否について判断すべきである。 4. 診療ガイドライン、マニュアルなどの策定
5. 臨時に設置される調査委員会、諮問委員会などでの作業
6. 市民に対する公開講座などにおける発表
7. 企業や営利団体主催・共催の講演会、ランチョンセミナー、イブニングセミナーなどにおける発表

 なお、上記の活動における発表者が企業の正規職員の立場であると同時に大学・研究機関等での非常勤職員(例、講師、客員教授など)、派遣研究員、社会人大学院生である場合、記載する所属は前者の正規雇用の企業名(所属名、職名含む)だけを記載するか、或はそれに加えて大学・研究機関等の名称を併記することのいずれかが求められる。
 また、大学の寄付講座に在籍する研究者や奨学寄附金などの外部資金によって雇用されている大学・研究機関等の研究者などについては、発表に際しての所属や職名は所属施設・機関で使われる正式名称(特任教授、特命教授など)を記載しその資金を提供している企業名を「X寄付講座は、Y 製薬の寄付金にて支援されている」「Department of X is an endowment department supported with an unrestricted grant from Y」のように併記すべきである。
 複数の企業などから資金提供されている場合には、細則に定めた基準額(年間200万円以上/企業)を超えている企業については、該当する企業名をすべて記載すべきである。

Ⅳ. 申告・開示の対象期間

 申告および開示の義務があるCOIとは役員就任時や発表時点から遡る過去3年間とする。なお、本法人会員でかつ一般社団法人日本脳神経外科学会員については日本脳神経外科学会専用HPを用いて前年1年間(1月~12月)におけるCOIに関する自己申告を毎年3月末日までにオンライン登録することが義務づけられているため、前々々年から前年までの連続3年間のCOI自己申告についてオンライン登録を完了していることをもって、COI自己申告の対象となる事業活動について必要な対象期間(3年間)の自己申告・開示を済ませているものとみなす。
 ただし、COIを自己申告した時点から役員就任や発表までの間に、新たなCOIが発生した場合には細則に定める規定に従い、すみやかに修正申告を行う義務を有する。
 なお、本法人が企業や営利を目的とした団体から受託研究費や研究助成費を受けて行う研究については、受託研究契約が成立した後すみやかに理事長がCOI委員会に報告し、学会HPにおいてその法人名・研究名を公開する。また、当該研究の発表にあたっても、本法人が法人として行った産学連携研究であることおよび出資者である法人名を開示する。

Ⅴ. 開示・公開すべき事項

 対象者は、対象者自身における以下の1ないし6の事項で、またその配偶者・一親等以内の親族、あるいは収入・財産を共有する者における以下の1ないし3の事項について、別に定める「医学研究のCOI(利益相反)に関する細則」に記された基準に従い、自己申告によってCOIの正確な状況を開示する義務を負うものとする。なお、自己申告の内容については、申告者本人が責任を持つものとする。
1. 企業や営利を目的とした団体の役員、顧問職
2. 株の保有
3. 企業や営利を目的とした団体からの特許権使用料
4. 企業や営利を目的とした団体から、会議の出席(発表)に対し、研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料など) 5. 企業や営利を目的とした団体が原稿やパンフレット執筆に対して支払った原稿料
6. 企業や営利を目的とした団体が提供する研究費

 なお、企業や営利を目的とした団体からの寄付金などが、非営利法人(例、NPO)や公益法人(例、社団、財団)を経由して、受託研究費や研究助成費のような形で提供される場合には、それが高額であればあるほど研究成果についての客観性や公平性についての疑義が懸念されうる。このため、このような受託研究費や研究助成費の交付金額が細則に定めた基準額(年間1000万円)以上であり、企業や営利を目的とした団体が、当該受託研究費や研究助成の専らの出資者である場合には、その法人名・研究費名とともに出資者である当該企業名を記載して、本項(企業や営利を目的とした団体が提供する研究費)として自己申告すべきである。

Ⅵ. COIと回避すべきこと

 医学研究の結果の公表は、科学的な判断と公共の利益に基づいて行われるべきである。本法人が行う事業に関係するものは、医学研究の結果を学会や論文で発表するか否かの決定、あるいは医学研究の結果とその解釈といった本質的な内容について、その研究に対する資金提供者や特定の企業の恣意的な意図に影響されてはならず、また影響を避けられないような契約書を締結してはならない。

Ⅶ. 臨床研究に関する注意事項

 臨床研究は、個人の生体試料を用いた研究から侵襲性のある介入研究まで多岐に渡っている。その中で侵襲性すなわち投薬や手術等、被験者に対するリスクが一定程度以上存在する医療行為を用いる介入研究が臨床試験である。臨床試験の中で、新しい医薬品の製造販売承認に際し申請に必要な資料収集のために行う臨床試験を「治験」といい、手術法や承認された医薬品の臨床上の有効性や安全性を研究者が企画発案し検証する介入研究を「研究者(医師)主導臨床試験」という。
 「治験」については、薬事法の下に、平成9年(1997年)の新「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(Good Clinical Practice以下「GCP」)と略す」によって、企業主導あるいは研究者主導の「治験」という形でその実施方法が細かく規定されており、医療施設・機関等との契約の下にその有効性、安全性を確認する臨床試験が行われている。

 一方、「研究者(医師)主導臨床試験」についてはヘルシンキ宣言および「臨床研究に関する倫理指針」に基づいて実施するという基本方針により、被験者の生命と人権に対する自主的な配慮と高い倫理性が求められているが、その実施に薬事法の適用を受けないため、研究費の確保、独立した組織によるデータ収集・管理や統計解析、著者資格(貢献度)の評価などは実施する研究者個人の裁量に依存した状態にある。侵襲性のある介入型で自主的な研究者(医師)主導臨床試験の実施には、対象症例数が多くなればなるほど多額の資金が必要となり、民間に研究費(寄附金など)を求めることが避けられない。このため、もし、「研究者(医師)主導臨床試験」において研究者のCOIマネージメントが適切に行われなければ、倫理性や科学的信頼性が担保されないため、社会から疑義を招くことになる。このため、適切なCOIマネージメントを行うためには、倫理委員会への実施計画書の申請、被験者への説明、論文発表等を通じて、研究者主導臨床試験の資金源が適切に開示または公表されなければならないし、研究が適正に実施されるために必要十分な経費かどうかの妥当性も審査されなければならない。なお、臨床研究に係る資金の提供が、企業との適正な契約のもとに支援されれば、説明責任を果たしやすい。

1. 市販後の医薬品を用いた研究者主導の臨床試験は医薬品の有効性、安全性の検証には欠かせないものであり、臨床現場での標準的な治療法の確立に重要な情報と根拠を提供する。一方、企業にとっても販売促進の視点から第Ⅳ相臨床試験への関心が高く、いろいろな形での協力や支援(資金、労務など)が当該の研究実施者に提供されているのが現状である。しかし、金銭面での透明性が確保されないと社会から疑惑を招きやすいため、両者の利害関係の公開を原則とした格段の配慮が求められる。 2. 臨床研究結果が医療従事者・患者・その他の人々に幅広く利用できるようになることは、公益につながる。したがって、試験結果は原則的に論文の形で公開されるべきである。医学研究実施者は、関係する企業、法人組織、団体等からの資金、薬剤・機器の提供だけでなく、当該研究のデザイン・企画・データ収集・管理および統計解析などに人的な支援を受ければ、発表の際にすべての情報を論文の中に適切に開示、公開しなければならない。 3. 公表論文の作成にあたっては著者資格を明確にし、メディカルライター・統計専門家・その他の人々の助力を受けた際に、これらの人々が著者資格の基準を満たさない場合には、これらの人々の関与に対し適切に謝意を表し、その身元・所属・資金源およびその他の利害関係を記載し公開するものとする。 4. 施設・機関へ派遣された企業所属(正規社員)の研究者が、派遣研究者・社会人大学院生・非常勤講師などとしてアカデミアに所属し、研究成果を講演あるいは論文発表する場合には、当該企業名を明記すべきである。 5. 正規社員として企業所属時に行った研究成果を、アカデミアへ正規職員として転職した後に発表する場合も、所属した企業名を明記すべきである。
1)臨床研究の実施者が回避すべきこと
 「研究者(医師)主導臨床試験」が産学連携によって実施される場合に、当該研究の実施者は以下に記載する事項については特に留意して回避すべきであることが求められる。

1. 臨床試験への被験者の仲介や紹介にかかる報賞金の取得
2. ある特定期間内での症例集積に対する報賞金の取得
3. 特定の研究結果に対する成果報酬の取得
4. 研究結果の学会発表や論文発表の決定に関して、資金提供者・企業が影響力の行使を可能とする契約の締結
 なお、産学連携に伴い当該研究実施施設が獲得する受託研究費は上記報賞金には該当しない。

2)臨床研究の試験責任者や主任研究者が回避すべきこと
 「研究者(医師)主導臨床試験」が産学連携によって実施される場合に、当該研究の計画・実施に決定権を持つ試験責任者あるいは研究代表者(principal investigator)(多施設臨床研究における各施設の責任医師はこれに該当しない)は、当該研究に関わる資金提供者・企業との金銭的な関係を適正に開示する義務を負っており、以下に記載する事項については特に留意して回避すべきであることが求められる。

1. 臨床研究の資金提供者である企業の株式保有や役員への就任 2. 研究課題の医薬品、治療法、検査法などに関する特許権ならびに特許料の取得 3. 当該研究に関係のない学会参加に対する資金提供者・企業からの旅費・宿泊費の支払い 4. 当該研究に要する実費を大幅に超える寄附金などの取得.ただし、適正な契約に基づく場合は除外 5. 当該研究に係る時間や労力に対する正当な報酬以外の金銭や贈り物の取得
 ただし、上記の1ないし2に該当する場合であっても、当該研究者が当該臨床研究を計画・実行するうえで必要不可欠の人材であり、かつ当該臨床研究が国際的にも極めて重要な意義をもつような場合には、 COI委員会における審議を経て当該臨床研究の主任研究者や試験責任医師に就任することは可能とする。
 なお、2010年6月に発表された「臨床試験結果の医学雑誌における論文公表に関する共同指針(国際製薬団体連合会・欧州製薬団体連合会・米国研究製薬協業協会・日本製薬工業協会)」では、企業が依頼する臨床試験の公表論文の著者資格は、医学雑誌編集者国際委員会統一投稿規定(ICMJE Uniform Requirements for Manuscripts)に準じることが求められており、以下の3つの基準をすべて満たしていなければならない。
① コンセプトとデザイン、もしくはデータ取得又はデータの解析と解釈に対する実質的貢献
② 論文の起草、又は重要な内容に対する重大な改訂
③ 掲載されることになる版の最終承認
 そして、公表論文の作成にあたりメディカルライター、統計専門家、その他の人々の助力を受けたが、これらの人々が著者資格の基準を満たさない場合には、これらの人々の関与に対しては、論文の謝辞において、適切に謝意を表し、その身元、所属、資金源およびその他の利害関係を記載することが求められている。

Ⅷ. 実施方法

1)COI委員会
 本法人は、COI の管理・調査・審査を行い、さらには改善措置の提案や啓発活動を行うためにCOI 委員会を設置する。

2)会員
 会員は医学研究成果を発表する場合、当該研究実施に関わるCOIを適切に開示する義務を負うものとする。開示の具体的方法については本法人の「医学研究のCOI(利益相反)に関する細則」に基づいて行う。本指針に反する事態が生じた場合には、COI委員会が審議し、その結果を理事会に上申する。

3)役員
1. 本法人の役員(理事・監事・代議員)は学会に関わるすべての事業活動に対して重要な役割と責務を担っているため、就任した時点で自己申告を行う義務を負うものとする。その具体的方法については本法人の「医学研究のCOI(利益相反)に関する細則」に基づいて行う。もし、COIを自己申告した時点から役員就任時までの間に新たなCOIが生じた場合には、以前に申告された内容を役員就任時に修正する義務をもつ。 2. 役員就任後に新たにCOIが発生した場合には細則に定めた規定に従い、すみやかに修正申告を行う義務を有する。 3. 役員より提出された自己申告書については、その任期終了後も5 年間保管する。
保管期間を過ぎた書類については、理事長の監督下においてすみやかに削除・廃棄するが、削除・廃棄することが適当でないと理事会が認めた場合には、必要な期間を定めて当該申告者のCOI情報の削除・廃棄を保留できる。

4)学術総会会長
 学術総会の会長は、当該学会において発表される研究成果が、本指針に沿ったものであることを検証し、本指針に反する演題については発表を差し止めることができる。なお、これらの対処については必要に応じてCOI委員会で審議し、その答申に基づいて会長が決定する。

5)理事会
 理事会は会員あるいは学術総会や学術雑誌への発表者によるCOIの自己申告が不適切であると認めた場合、COI委員会、倫理委員会、編集委員会のそれぞれに諮問し、それらの答申に基づいて改善措置などを指示することができる。
 また、本法人が事業を遂行するうえで、 COIに関して社会的な信頼性を損なうような深刻な事態が生じた場合に、理事会はCOI 委員会に諮問しその答申に基づいて検証を行い、必要に応じて社会的説明責任を果たすための声明を出すことが求められる。

6)編集委員会
 編集委員会は、投稿にあたっては著者全員のCOIの自己申告開示を求めるとともに、投稿される論文が本指針に沿ったものであることを検証し、もし本指針に反する場合には掲載を差し止めることができる。
 掲載後の論文が本指針に反していたことが明らかになった場合は、当該刊行物などに編集委員長名でその由を公知するとともに、論文撤回を求めるなどの措置を講ずることができる。
 なお、これらの対処については必要に応じてCOI委員会で審議し、編集委員長が決定する。

7)その他の委員会
 その他の委員会は自らが関与する学会事業に関して、その実施が本指針に沿ったものであることを検証し、本指針に反する事態が生じた場合には、すみやかに事態の改善策を検討する。なお、これらの対処については必要に応じてCOI委員会で審議し、その答申に基づいて当該委員長が決定する。

8)臨床研究を行うにあたってのCOIに関する留意事項
1. 医師主導臨床研究は、対象症例数が多くなればなるほど多額の資金が必要となり、産学連携による研究費が資金源となる場合がある。このような場合には、医師主導臨床試験の資金源を学会発表や論文発表にあたって適切に開示または公表すべきである。 2. 企業からの奨学寄附金を資金源とする医師主導臨床試験の場合についても、当該企業が資金提供者と見なされるため、細則に定めた申告基準額以上であれば資金源(unlimited grant from company)として学会発表や論文発表にあたって適切に開示または公表すべきである。 3. 上記2項については、臨床データ集計・管理、統計解析、データ解釈ならびに論文作成において、資金提供者である企業関係者の介入がまったくないことを当該論文に、「The sponsor has no roles in study design, data collection, data analysis, data interpretation or writing of the report 」のように明記すべきである。 4. 臨床研究、特に侵襲性のある大規模な介入型研究は、実施計画書(プロトコール)に記載された年限を超えて長期間にわたり実施されることも少なくない。このため、産学連携による医学研究を行う場合には、主任研究者は①当該研究に資金を提供した企業名ないし団体名とそれから提供された金額を年度ごとに記録し、②研究の企画立案の時点から実施期間におけるデータや議事録についても記録し、研究終了報告から5年間、論文公表から3年間記録保管しておくことが望ましい。 5. 当該研究とは直接の関係がなくとも、当該研究内容に関係する企業からの奨学寄附金額などについても必要に応じて同様に記録保管しておくことが望ましい。

Ⅸ. 指針違反者への措置

1)指針違反者への措置
 COI委員会は、本指針に違反する行為に関して審議する権限を有し、その審議結果を理事会に答申する。その答申に基づいて重大な遵守不履行に該当すると判断した場合には、理事会はその遵守不履行の程度に応じて「医学研究のCOI(利益相反)に関する細則」に定める措置を取ることができる。


2)不服の申立
 被措置者は、本法人に対して不服申立をすることができる。本法人がこれを受理したときは、「医学研究のCOI(利益相反)に関する細則」に定める臨時審査委員会において再審理を行う。


3)説明責任
 本法人は、自ら関与する事業において発表された医学研究に関して、本指針の遵守に重大な違反があると判断した場合には、COI委員会および理事会の協議を経てこれを公表し社会への説明責任を果たす。

Ⅹ. COI自己申告書およびそこに開示されたCOI情報の保管・管理

 「医学研究のCOI(利益相反)に関する細則」に基づいて、提出されたCOI自己申告書およびそこに開示されたCOI情報は学会事務局において、理事長を管理者とし、個人情報として厳重に保管・管理する。

Ⅺ. 指針運用規則の制定

 本法人は本指針を実際に運用するために必要な「医学研究のCOI(利益相反)に関する細則」を制定する。

Ⅻ. 施行日および改正方法

 本指針は、社会的影響や産学連携に関する法令の改変などから、個々の事例によって一部に変更が必要となることが予想される。COI委員会は、原則として2年ごとに本指針の見直しを行い、理事会の決議を経て、本指針を改正することができる。

 

附則
1. 本指針は平成26年1月1 日より施行する
2. 平成26年12月8日改定
3. 平成29年3月17日改定


医学研究のCOI(利益相反)に関する細則

一般社団法人日本脳卒中の外科学会
COI委員会

(目的)

第1条
 この細則は、一般社団法人日本脳卒中の外科学会(以下、「本法人」と略す。)が「医学研究のCOI(利益相反)に関する指針」(以下、「本指針」と略す。)を対象者に遵守させるにあたり、本指針の具体的な運用方法を示すことを目的とする。

(COIに関する自己申告)

第2条
 以下に該当する者は、過去3年間のCOIの有無を明らかにする義務がある。すなわち毎年、前年1 年間(前年1月~前年12月)におけるCOIの有無について第3条に定める基準を超える場合には、COIに関する自己申告書(様式○○など)を本法人事務局に提出することが必要になる。
 そして、前々々年から前年までの連続3年間におけるCOIに関する自己申告書の提出をもって、COI自己申告の対象となる事業活動について必要な対象期間(3年間)の自己申告・開示を済ませているものとみなす。
1. 本法人の理事・監事・代議員
2. 前号以外の本法人のすべての会員
3. 本法人の雇用する事務職員
4. 本法人が行う学術総会で発表する者
5. 本法人の機関誌「脳卒中の外科」において論文発表をする者

 なお、役員就任や学会・論文発表までに、それまでに自己申告したCOI以外に第3条に定める基準を超える新たなCOIが発生した場合には3か月以内にすみやかに修正申告を行う義務を有する。
 また、以前に自己申告した内容に誤りがあったことが判明した場合には、COI委員会に届け出のうえ、すみやかに修正申告を行う義務を有する。
 ただし、自己申告の該当者である本法人の会員本人が日本脳神経外科学会会員であり、日本脳神経外科学会への自己申告書オンライン登録がすでに完了している場合には、それをもって代用することとし、本法人へのCOI自己申告は不要とする。

 

(COIに関する自己申告書の提出が必要とされる基準)

第3条
 自己申告が必要な金額を次のように定める。なお、開示する義務のあるCOIは、本法人が行う事業や医学研究に関する発表内容に関連する企業や営利を目的とする団体に関わるものに限定する。
1. 企業や営利を目的とした団体の役員、顧問職については、単一の企業・団体からの報酬額が年間100万円以上は申告する。 2. 株の保有については、単一の企業についての1 年間の株による利益(配当、売却益の総和)が100万円以上の場合、あるいは当該全株式の5%以上を所有する場合は申告する。 3. 企業や営利を目的とした団体からの特許権使用料については、1件あたりの特許権使用料が年間100万円以上の場合は申告する。 4. 企業や営利を目的とした団体から、会議の出席(発表)に対し、研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料など)については、単一の企業・団体からの年間の日当(講演料など)が合計100万円以上の場合は申告する。 5. 企業や営利を目的とした団体が原稿やパンフレットなどの執筆に対して支払った原稿料については、単一の企業・団体からの年間の原稿料が合計50万円以上の場合は申告する。 6. 企業や営利を目的とした団体が提供する研究費については、単一の研究に対して支払われた総額が年間200万円以上の場合は申告する。奨学寄付金については、単一の企業・団体から、1名の研究代表者に支払われた総額が年間200万円以上の場合は申告する。 7. 非営利法人(例、NPO)や公益法人(例、社団、財団)からの受託研究費や研究助成費で、交付金額が年間1000万円以上である場合に、企業や営利を目的とした団体が当該受託研究費や研究助成の専らの出資者である場合には、研究代表者が申告する。 8. 企業や営利を目的とした団体からの寄付による大学の寄付講座については、特任教授など当該講座の代表者が申告する。複数の企業などから資金提供されている場合には、一企業当たり年間200万円以上の場合は申告する。

(本法人が行う学術総会などにおける発表)

第4条
1. (演題応募時)本法人が行う学術総会、教育講演会、および市民公開講座などで発表を行う筆頭演者は、自らのCOIの有無を明らかにしなければならない。具体的には演題応募時に第2条に記載した自己申告が完了していることが要求される。未完了の場合には演題応募ができない。 2. (発表時)発表時には、発表スライドあるいはポスターの最後に、筆頭演者のCOIについて開示する。 3. COIがある場合には、当該企業名のみを表示する。

(本法人が発行する機関誌などでの発表)

第5条
1. (投稿時)本法人の機関誌「脳卒中の外科」などで発表を行う著者(筆頭著者およびすべての共著者)は、投稿規定に定める様式により、COIを明らかにしなければならない。具体的には投稿時に、第2条に記載した自己申告が完了していることが要求される。 2. (掲載時)自己申告の情報はCOI開示としてまとめられ、論文末尾に印刷される。規定されたCOIがない場合は、同部分にその旨が印刷される。

(COI委員会)

第6条
 COI委員会は常置委員会であり、理事長からの指名を受けた複数名で構成され、任期は2年とする。

(役員等)

第7条
1. この規則で規定する役員とは、本法人の理事・監事・代議員を指すものとする。 2. 具体的には、本法人の役員等は、新たに就任する時と、就任後1年ごとに第2条に記載した自己申告が完了していることが要求される。 3. COIを自己申告した時点から役員就任時までの間に、申告すべき基準に達する新たなCOIが生じた場合には、以前に申告した内容を役員就任時に修正する義務を持つ。 4. 在任中に申告すべき基準に達する新たなCOIが生じた場合には、以前に申告した内容を原則として8週以内に追加修正する義務を負うものとする。

(指針違反者への措置)

第 8 条
1. COI委員会は、本指針に違反する行為に関して審議する権限を有し、その審議結果を理事会に答申する。その答申に基づいて重大な遵守不履行に該当すると判断した場合には、理事会はその遵守不履行の程度に応じて一定期間、以下に定める措置を取ることができる。 ① 本法人が開催するすべての集会での発表の禁止 ② 本法人の刊行物への論文掲載の禁止 ③ 本法人の理事会、委員会への参加の禁止 ④ 本法人の役員ないし学術総会会長就任の禁止 ⑤ 本法人の社員(代議員)の除名、あるいは社員(代議員)になることの禁止 ⑥ 本法人の会員の除名、あるいは会員になることの禁止
なお、上記の懲戒措置に相当しない程度の違反行為については、理事会は当該者の責任を確認し、その将来を戒める戒告を行う。
2. 前項の措置を受けた者は、本法人に対して不服申立をすることができる。本法人が不服を受理したときは、これを臨時審査委員会に付議する。 3. 臨時審査委員会はCOI委員会の委員以外の会員から事案ごとに理事長が指名した複数名をもって構成される。臨時審査委員会は、第1項の措置が適正であったか否かの再審理を行い、審理の結果について理事会の協議を経て、その結果を被措置者に通知する。被措置者に通知がなされた時点をもって同事案の臨時審査委員会はその任務を終了する。

(COI自己申告書の取扱い)

第9 条
1. 本細則に基づいて本法人に提出されたCOI自己申告書およびそこに開示されたCOI情報は事務局において、理事長を管理者とし、個人情報として厳重に保管・管理する。 2. COI情報は、本指針に定められた事項を処理するために、本法人の理事会およびCOI委員会が随時利用できるものとする。この利用には、当該申告者のCOIについて、疑義もしくは社会的・法的問題が生じた場合に、COI委員会の議論を経て、理事会の承認を得たうえで、当該COI情報のうち、必要な範囲を内部に開示、あるいは社会へ公開する場合をも含む。 3. COI情報について開示請求がなされた場合、COI委員会が審議したうえで必要と認めた範囲で開示することができる。 4. 日本脳神経外科学会会員である本法人の会員についてのCOI情報を本法人が利用する場合には、該当者のCOI自己申告情報を日本脳神経外科学会へ開示請求することが必要になる。また、その COI情報について内部に開示、あるいは社会へ公開する場合には、その可否について日本脳神経外科学会の承認が必要となる。 5. 本法人に提出されたCOI自己申告書およびそこに開示されたCOI情報の保管期間は登録後5年間とする。保管期間を過ぎた書類については、理事長の監督下においてすみやかに廃棄するが、廃棄することが適切でないと理事会が認めた場合には、必要な期間を定めて当該申告者のCOI情報の廃棄を保留できる。

(施行日および改正方法)

第10 条
 COI委員会は、原則として2年ごとに本指針の見直しを行い、理事会の決議を経て、本細則を改正することができる。

附則

1. 本細則は平成26年1月1日より施行する。

2. 平成26年3月14日改定。

3. 平成26年12月8日改定。

4. 平成29年3月17日改定。